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2009年、創立40周年を迎えた日本女性放送者懇談会は、これを記念して、同年9月から2010年11月まで、放送界でトップランナーとして活躍する女性たちを招いて公開勉強会をシリーズで開催。ドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー、報道などの現場で働くディレクター、プロデューサー、キャスターや、営業、視聴率調査、番組編成など、実に幅広い分野の女性たちによる対談・鼎談が実現しました。
本書はこの勉強会を軸に、戦後のテレビ・ラジオに一時代を画したベテラン放送人のトークや、カメラマン、気象予報士、広報、フードコーディネーターなど多種多様な放送関連の仕事の紹介、メディアにおける女性の仕事についての研究成果も掲載。放送という一見華やかな世界で日々奮闘し、悩み、それでもこの仕事が好きでたまらない放送ウーマンたちの現在を余すところなく伝えます。
放送界を目指す女性たち、完全デジタル化に向けた業界の今後が気になる人はもちろん、やっぱりテレビが好き、ラジオが生活に欠かせないというすべての人に読んでいただきたい一冊です。
目次
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第1章 特別企画 テレビ・ラジオの現場から
- 人気ドラマを作る
- 戦争の記録・記憶に対してテレビができること
- 視聴質とは何か
- 女性放送記者の視点
- ラジオの未来
- テレビ営業のいま
- ローカルワイドの顔に求められるもの
- キャスターの役割
- 放送外ビジネス
- 視聴者の心をつかむ 番組編成の神髄に迫る
- バラエティ番組最前線
- 経営に女性が参加するということ
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第2章 放送と歩んで半世紀
- 黒柳徹子
- 宇田川清江
- 堂本暁子
- 市岡康子/坂元良江
- 第3章 私の仕事 愛と誇りと情熱と
- 第4章 放送と女性の仕事
感想
- 連続ドラマは生き物。自分の中でもキャラクターが育っていって、演出家たちと息が合うと本当に幸せです。
(脚本家・中園ミホ) - ラジオを聞いている人は会話のキャッチボールができるんです。
(ニッポン放送・宮崎裕子) - 雇用機会均等法一期生で、一年間の育休の初の出産例。いちいち壁にぶつかってきたように思います。
(琉球朝日放送・三上智恵) - ラジオの力と声の力、さらに夜の力を感じたのが『ラジオ深夜便』です。
(フリーアナウンサー・宇田川清江) - 歳を重ねた方が本質に近づくのに、それを出す機会が減るというのは非常にもったいない話です。
(NHK・有働由美子) - 伝えるというこの仕事には終わりがない。ゴールって見えないですよね。やればやるほど遠いんです。
(TBS・長峰由紀) - 今後もバラエティを続けて行くとしたら、笑いながら「くだらないな~」と言えるものをやりたい。
(日本テレビ・松本京子) - 女性もマネジメントに挑戦してほしい。そのために、働き続けてください。続ける力を持ってください。
(テレビ朝日・堀越むつ子)
作家・澤地久枝さんから帯にコメントをいただきました
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戦後、放送界の新参入者だった女性たちが、これほどの実力と活気をもつ時代がくると誰が予想しただろうか。女としてのハンディ、視聴率なる怪物や偏見をみごと乗りこえ、最前線を生きぬいた歩みと感動が伝わってくる。