例会

2011年の例会

第1回 シリーズ:3.11後、メディアは何を伝えてきたか(1)

ETV特集『ネットワークでつくる放射能汚染地図
福島原発事故から2か月』制作者が伝えたかったこと

登壇者増田 秀樹さん

NHK「ETV 特集」統括チーフプロデューサー ※現在は大型企画開発センター チーフプロデューサー

日時2011年9月13日(火)19:00~20:30
会場NHK放送センター 本館4F ブリーフィングルーム(44名参加)

企画趣旨

東京電力福島第一原発事故による被害は未だに全貌がわからず、場所によっては今後何十年もの間、自分の家や土地に戻ることはできません。放射線量が人体、特に子どもたちにどういう影響を与えていくのか、土壌や水の汚染の実態はどうなのか、農業や漁業への影響はどうなのか、我々メディアに携わる者ですら正確な情報がつかめない中で何をどう伝えていけばよいのか、おそらく皆が試行錯誤をしていた頃、実に衝撃的な番組が放送されました。それが5月15日(日)NHKのEテレで放送されたETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図 福島原発事故から2か月」です。

原発事故発生の4日後に福島に入り、独自に放射能汚染の実態を調査する科学者たちの活動を追ったドキュメンタリーで、科学者と取材チームは、放射能が原発から同心円に広がるのではなく、まだら状に拡散していることや、高濃度に汚染されたホットスポットを発見しました。情報が届かず残されていた住民に、いち早く警告を発し、被災地の農家などの苦境を克明に伝えたこの番組には、視聴者から電話が一千件以上届くなど大きな反響があり、その後、文化庁芸術祭テレビドキュメンタリー部門大賞受賞のほか、数々の賞を総なめにしました。
(柳田祐子)

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ますだ・ひでき
1988年、NHK入局。2009年、ETV特集統括チーフプロデューサー、2012年、大型企画開発センターチーフプロデューサー。2006年「歴史の選択 赤穂浪士~討ち入り組VS討ち入り不参加組~」で橋田壽賀子賞受賞。2009年ETV特集「シリーズ日本と朝鮮半島2000年」でギャラクシー賞特別賞受賞。2010年NHKスペシャル「密使 若泉敬 沖縄返還の代償」で芸術祭大賞受賞。

第2回 シリーズ:3.11後、メディアは何を伝えてきたか(2)

東日本大震災で間われたキー局の役割
~フジテレビ「とくダネ!」の取り組みを振り返る~

登壇者小倉 智昭さん

フジテレビ「とくダネ!」キャスター

日時2011年10月14日(金)19:00~20:30
会場毎日放送東京支社大会議室(45名参加)

企画趣旨

2011年3月11日、東北地方に激震が走った直後から報道は始まりました。刻々と変化し拡大していった未曾有の混乱の中、報道機関としてキー局は何をしてきたのか?何をするべきだったのか?被災した人々のライフラインに直結する地元局が伝えなければならないことと、全国を網羅するキー局との報道にはどんな違いがあったのでしょうか?

放送に携わる私たちに突きつけられたこの難問。その答えを模索し続けた半年余りのタイミングで、震災報道に熱心だった「とくダネ!」キャスターの小倉智昭さんにお越しいただいて実体験に基づいたお話を伺いました。

キャスターは公人のため、普段お話になる内容に関しては精査を尽くさなければなりませんが、今回はオフレコを条件に本音で様々なお話をしていただきました。
(石田敦子)

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おぐら・ともあき
1947年生まれ。秋田県出身。東京12チャンネル(現 テレビ東京)アナウンサー出身。1999年~「情報プレゼンター とくダネ!」(フジテレビ 月~金 8:00~9:55)メインMC〈ほかの主な出演番組〉ニッポン放送:「小倉智昭のラジオサーキット」(毎週土曜日 13:00~16:00 放送中)テレビ朝日:「いまどき!ごはん」日本テレビ:「嵐の宿題くん」毎日放送:「世界まるごとHOWマッチ」(ナレーション)NHK:「クイズ漢字はえらい」文化放送:「小倉智昭のとことん気になる11時」(ギャラクシー賞 受賞)など多数。

第3回 シリーズ:挑戦的でユニークな番組を考えよう!(1)

日本テレビ
「ザ!鉄腕! DASH!!」が切り拓いたもの

登壇者今村 司さん

日本テレビ制作局ドラマセンター/現:スポーツ局次長

日時2011年11月29日(火)19:00~20:30
会場NHK放送センター 本館4F ブリーフィングルーム(29名参加)

企画趣旨

3回目は、今年度の2つめのテーマ、テレビのフロンティア精神を失ってはならないという危機感のもとに、挑戦的でユニークな番組をとりあげて考える企画の第一弾。現在日本テレビで放送中の「ザ!鉄腕!DASH!!」の産みの親・元プロデューサーの今村司さんに番組誕生のいきさつを語っていただきました。

この番組の「特にDASH村」企画は、人気アイドルグループTOKIOが真っ向から農業に取り組む姿が、自然との共生や日本の食と農のあり方などさまざまな問題をあぶりだし、大きな反響を呼びました。また、村の所在が東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の深刻な被災地の一つである、福島県浪江町であることも今回公開を余儀なくされ、その後の「DASH村」にも大きな注目が集まっています。人気アイドルと農業という意外な組み合わせはどんな発想から生まれたのか、放送開始から10年以上の間に番組が問いかけたものは何だったのか。また、震災からの復興と放送の関わりをどう考えていくのか。例会当時は制作局ドラマセンター長として、あの「家政婦のミタ」と「妖怪人間ベム」の放送の真っ最中。こちらの話題も織り込みながら、「今村ワールド」のフリートークタイムとなった90分あまりでした。
(田代早苗)

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いまむら・つかさ
1985年、日本テレビ入社。スポーツ局で「プロ野球中継」「箱根駅伝」「世界陸上」などのPD担当。その後編成局プロデューサー、営業局、編成部、スポーツ局を経て現在制作局ドラマセンター長。ギャラクシー賞優秀賞、農業ジャーナリスト賞、日本民間放送連盟賞などを受賞。2012年6月現在 再びスポーツ局へもどり、局次長兼CPに就任。

第4回 シリーズ:挑戦的でユニークな番組を考えよう!(2)

放送作家・鈴木おさむ
「テレビの今、そしてこれから」

登壇者鈴木おさむさん

放送作家

日時2011年12月7日(水)19:00~20:30
会場NHK放送センター 本館4F ブリーフィングルーム(37名参加)

企画趣旨

テレビ離れが叫ばれて久しい昨今、それでも番組制作においてフロンティア精神を失ってはならない、という危機感から「挑戦的でユニークな番組について考えよう」というテーマを掲げました。

鈴木さんは「SMAP×SMAP」「笑っていいとも!」「いきなり!黄金生活。」から「ほこ×たて」まで数々の斬新なヒット番組の構成を手掛けています。そしてバラエティ番組だけに留まらず、映画・ドラマの脚本、作詞、舞台の作・演出、著書も多数、まさに時代の流れを作っている放送作家のお一人です。

時代を読み取り、多くの人々の気持ちを動かすソフトはどうやって生み出されるのか、より独創的魅力的な番組を創りだすために我々放送人は何をなすべきか、最近の厳しい状況の中でテレビはこれからどういう方向に進んでいくのか、などのお話を頂きたいと超多忙な鈴木さんにお願いいたしました。鈴木さんは快く才暇をぬってやって来てくださり、ご自身の実体験に基づいた具体的なエピソードを交え楽しい中にも示唆に富む充実した90分の講演をなさってくださいました。
(瀬崎一世)

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すずき・おさむ
1972年生まれ。千葉県出身。高校時代に放送作家を志し、19歳でデビュー。現在は「SMAPXSMAP」「お願い!ランキング」「スター☆ドラフト会議」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「A-Studio」「ほこ×たて」など多数の番組の構成を担当。2002年にはなんと交際期間0日で森三中の大島美幸さんと結婚!「『いい夫婦の日』パートナー・オブ・ザ・イヤー2009」受賞! 著書:「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」「テレビのなみだ~仕事に悩めるあなたへの77話~」「ブスの瞳に恋してる」「ハンサム★スーツ」など