放送ウーマン賞

放送ウーマン賞2017

私どもテレビ、ラジオ、制作会社、広告会社など放送業界で働く女性たちの組織「日本女性放送者懇談会(SJWRT)」では、毎年、放送界で活躍し優れた功績をあげられた女性の皆さまへ、激励の意味を込めて『放送ウーマン賞』をお贈りしています。

今年度は、株式会社WOWOWの岡野真紀子さん、株式会社文化放送の柿澤真理子さんの両者に決定いたしました。

(放送ウーマン賞2017選考委員長 宮崎淑恵)



放送ウーマン賞2017 受賞者

株式会社WOWOW ドラマ制作部

岡野 真紀子(おかの まきこ)さん

1982年生まれ。神奈川県出身。学習院大学文学部英米文学科卒業後、2004年テレビドラマ制作会社テレパックに入社。2009年株式会社WOWOW入社。
WOWOWプロデュース作品:「なぜ君は絶望と闘えたのか」(2010年)、「CO移植コーディネーター」(2011年)、「學」(2012年)、「尾根のかなたに ~父と息子の日航機墜落事故~」(2012年)、、「チキンレース」(2013年)、「私という運命について」(2014年)、「モザイクジャパン」(2014年)、「罪人の嘘」(2014年)、「翳りゆく夏」(2015年)、)、「しんがり ~山一證券 最後の聖戦~」(2015年)、「海に降る」(2015年)、「コールドケース ~真実の扉~」(2016年)、「北斗 ~ある殺人者の回心~」(2017年)、「石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~」(2017年)

贈賞理由

放送業界を取り巻く状況が大きく変化する中で、有料放送の特性を生かした見応えのあるドラマを次々に作り出しているのが岡野さんです。
光市母子殺人事件を題材にした「なぜ君は絶望と闘えたのか」(2010年)や、日航機墜落事故を描いた「尾根のかなたに」(2012年)(共に原作:門田隆将)など、数々の社会派ドラマやリーガルサスペンスを制作してきました。2017年には外務省の機密費流用事件を取材したノンフィクション作品「石つぶて」(原作:清武英利)をドラマ化し、今や地上波ではなかなか見られなくなった社会性の強いエンターテインメント作品を実現させ、多くの視聴者の支持を得ました。骨太なテーマに挑み続ける岡野さんの今後のさらなる飛躍に期待して放送ウーマン賞をお贈りします。

受賞者挨拶

今回の受賞につながったドラマ「石つぶて」は、「ドラマ界の“石つぶて”になろう」と主演の佐藤浩市さんがおっしゃって、皆で共に作り上げたもので、作り手側である同業者からの反響が大きかった作品。一緒に制作した人たちと共に喜びを分かち合いたい…と話し始めた岡野さん。会場に駆け付けた方のお名前を一人一人挙げながら、感謝の言葉を述べられました。
「自由に作れる環境を作って貰えたこと、それを後輩に引き継いで、今後は局の顔になる“お化けコンテンツ”…例えば、WOWOW版・大河ドラマとか、朝ドラを作りたい」と、夢を語られました。

放送ウーマン賞2017 受賞者

株式会社文化放送 編成制作部

柿澤 真理子(かきざわ まりこ)さん

1976年生まれ。慶應義塾大学卒業後、1999年に文化放送に入社しスポーツ部配属。ライオンズナイターやソルトレイク冬季五輪、松坂大輔投手の米大リーグ入団会見取材、在レバノン日本大使館にてヤングリーダープログラム参加。2007年に制作部に異動し「大竹まこと ゴールデンラジオ」の立ち上げから担当、2015年からプロデューサーに。12年目を迎える「ゴールデンラジオ」は長年同時間帯の聴取率首位をキープしラジオ界で不動の人気を誇る。他の担当は「ロンドンブーツ田村淳のNewsCLUB」、いとうあさこの新番組「ラジオのあさこ」。過去には「伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛」「甲斐よしひろのセイ!ヤング21」など。

贈賞理由

インターネットとの連動や新しい技術の開発により、音声メディアが再評価されつつあります。柿澤さんはラジオ番組のディレクターとしてスタートし、現在はプロデューサーとして数々の人気番組を制作しています。「伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛」や「大竹まこと ゴールデンラジオ!」、「ロンドンブーツ1号2号 田村淳のNewsCLUB」などを手がけてきた柿澤さんは、常にパーソナリティーが自由に発言できる場を確保し、名だたる出演者から絶大な信頼を得るとともに躍動感あふれる番組を生み出してきました。ラジオ番組の活況化を牽引する柿沢さんに敬意を表し、放送ウーマン賞をお贈りします。

受賞者挨拶

「スポーツ部で8年、番組制作に移って11年、この賞を貰うまで何も知らずに恵まれた道を歩んできたと思う。昨今のラジオを取り巻く環境が厳しいと思ったことは全く無く、聞き手と送り手の距離が一番近く、日々の生活を一生懸命生きている人と繋がっていられるのがラジオだと思っている。
文化放送の自由で大らかな社風が好きで、SNSとの連動や“radiko(ラジコ)”など、ラジオを取り巻く環境が大きく変わったことをもっと多くの人に知って貰いたい。
この賞はラジオ全体のこれまでと、未来の可能性に与えられたもので、最後の最後まで、ラジオは自由に発言できるメディアでありたいと思っている」と語った柿澤さん、今後も肩ひじ張らずに仕事を続けていきたいとおっしゃいました。